十津川警部の挑戦
内容紹介
「小樽へ行ってくる」と言って家を出た62歳の老人が、東京で死体で発見された。
老人は20年前に警視庁を退職した元刑事だった。
前科のある男が自首して来て、事件は解決した。
とくに警視庁の上層部は解決を急いだ。
が、元刑事が、かつて担当し、解決した事件を追っていたことを知った十津川警部は、早すぎる事件の“解決”に自ら待ったをかけた。
元刑事が小樽に訪ねた人物が不自然な死に方をしているのも気になった。
殺された元刑事が追っていた事件――
それは美貌の若い女性が暴行され、殺害されるという連続殺人事件で、赤いポルシェが決め手となり、容疑者として代議士の秘書が浮かんだ。
しかし、男は、自分は無実であるとの遺書を残し、自殺した。
世論の非難を浴びた警察は、アル中の変質者を犯人として逮補し、事件は“解決”というものだった。
そして20年後のいま、解決した事件を追っていた元刑事が殺されたのだ!!
収録リスト
- 長編:十津川警部の挑戦(『産経新聞 夕刊』1987年7月7日~1988年7月16日)
※初出時タイトル『傷痕の時』
刊行リスト
- 1988年10月:実業之日本社、ジョイ・ノベルス、上下巻
- 1991年04月:角川書店、角川文庫、上下巻
- 2009年09月:実業之日本社、ジョイ・ノベルス、上下巻
- 2011年10月:祥伝社、祥伝社文庫、上下巻
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